tel:03-6256-8514
fax:03-6256-8576
mail:[email protected]
公開憲法フォーラムに寄せられた歴代総理のビデオメッセージ集
「第28回公開憲法フォーラム」(令和8年5月3日)
高市早苗自民党総裁ビデオメッセージ
皆さま、こんにちは。自由民主党総裁の高市早苗です。
各界を代表する方々、そして各党の議員の皆さまのご出席の下、第28回公開憲法フォーラムが盛大に開催されますことを心よりお喜び申し上げます。そして、それぞれのお立場で憲法改正の実現に向け、熱心に取り組んでおられる本日ご参加の皆さまに心からの敬意を表します。
憲法記念日である本日5月3日、79年前である昭和22年のこの日に、日本国憲法は施行されました。以来一度も改正されていません。国民主権、基本的人権の尊重、平和主義を三大原理として掲げた現行憲法は、我が国の戦後の発展に大きな役割を果たしてきました。しかしながら、言うまでもなく、79年前と比べ、我が国を取り巻く国際情勢、安全保障環境、技術革新の速さ、人口動態などは全く異なるものとなっています。
憲法は国の礎であり根幹であるからこそ、その価値を摩滅させないためにも、時代の要請に合わせて本来定期的な更新が図られるべきです。
自由民主党は立党から70年、憲法改正の旗を掲げ続けてきました。自主独立の権威の回復に向け、日本人の手による自主的な憲法改正は自由民主党の党是です。もちろん民主主義における議論の重要性については論を待ちません。一方で、徹底した議論を行った後に、意見の集約を図り結論を出す。これが民主主義の原則であり、政治の役割であるはずです。議論のための議論であってはなりません。私たち政治家が国民の皆様の負託に応えるために行うべきなのは、決断のための議論です。
もちろん、憲法改正は政治の決断のみで成し遂げられるものではありません。国会による発議を経て、国民投票による承認が必要とされています。だからこそ、本日のフォーラムは大変重要な機会であり、非常に心強い取り組みです。
我々自由民主党は、憲法改正に向け、党員・党友の皆様と一緒に総力を挙げて、全国各地で国民の皆様への丁寧な説明を行ってまいります。そして、本日ご参加の政党の皆様をはじめ、各党のご協力を得ながら、国会において決断のための議論を進めてまいります。
本日ご参加の皆様におかれましても、来るべき国民投票に向けて、国民の皆様の間での機運醸成にお取り組みいただけることを期待いたします。共に力を合わせてまいりましょう。
むすびにご参加の皆様のご健康とご多幸をお祈り申し上げます。ありがとうございました。
「第27回公開憲法フォーラム」(令和7年5月3日)
石破茂自由民主党総裁ビデオメッセージ
皆様、こんにちは。内閣総理大臣、石破茂であります。
第27回公開憲法フォーラムがこのように盛大に開催されていますこと、心よりお喜びを申し上げ、また、開催にあたってご尽力いただきました皆様に心から厚く御礼を申し上げます。誠にありがとうございます。
憲法が施行されて本日で78年ということになりました。
国民主権、基本的人権の尊重、そして平和主義、この日本国憲法の三大原理と申しておりますが、この基本的理念は、民主主義、平和主義国家としての歩みの礎として大きな役割を果たしてきたところであります。この三大原理、三大原則もいろんな言い方ありますが、これは変わることは決してございません。
他方、我が憲法は昭和22年に施行以来、社会、国民意識の変化、我が国を取り巻く国際情勢の変動を経てもなお、一度も改正されることがないまま今日に至っております。それはそれだけ素晴らしいということもあるのでしょう。
しかし同時に、他国の憲法はこれだけ改正されている中にあって、本当にそれでいいのだろうかという議論も当然あるものでございます。
憲法はその国の最上位法であり、ある意味、その国の姿を現すものであります。現状にそぐわない部分、あるいはよりよく変えていかねばならない部分、そういうものがあるのではないか。果断に見直しを行い、議論し、あくまで主権者である国民の判断に委ねる、そういうことが必要であると、私はかねてからそのように考えておるところでございます。
古屋圭司議員が本部長を務めておられます、わが党の憲法改正実現本部の役員の皆様方欧州議会憲法問題委員会の訪日議員団と意見交換を行った際に、先方からは、憲法改正が一度もないというのは、本当に正当性は失われないのか、新しい時代と、あるいは新しい世代と乖離をしていないのか、といったご指摘があったと承っております。
憲法改正は新たな情勢の的確な対応と民意の反映のための重要な機会である、そのような認識は、多くの国民の皆様方に共有されておるというふうに考えております。
我が党は立党以来、憲法改正を掲げてまいりました。現在、国民の皆様方に問うテーマとして、自衛隊の明記、あるいは教育の充実、合区の解消、そしてまた緊急事態対応、四つのテーマを掲げまして、国民の皆様方に訴えておるところでございますが、これまでの国会のご議論も踏まえて、本年2月に決定をいたしました自由民主党の運動方針では、各会派と連携し緊急事態、自衛隊明記などに関する条文案の起草、国会による発議、主権者である国民の皆さん方の投票での過半数の賛成に向けて力を注いでいくということにしておるところでございます。
本日のフォーラムは、各党に対して、九条及び緊急事態条項の条文化に向けた共同作業への参加を呼びかける、そういうようなものであると承っております。この趣旨を十分に受け止め、衆参の憲法審査会における議論がさらに進み、国会による発議が早期に実現いたしますよう、党として尽力をいたしてまいります。
憲法改正は国民主権の最大の発揮の場であります。 国民投票によって実現をするものであります。しかしながら、我が日本国憲法が制定される際に、やはり総選挙がございました。その時のテーマとして、もちろん憲法改正は掲げたのですけれど、国民の世論は憲法よりめしだということだったと承知をいたしております。
国民の皆様方、日々お忙しいので、憲法改正は我々政治が、そして我が自由民主党が積極的に国民の皆様方に働きかけていくということが大事であります。我々自由民主党に属します者は、そのために、さらにさらに尽力をしてまいりたいと、かように考えております。古屋本部長のもと、全国各地で対話集会を開催し、そのような機運の醸成に私ども一生懸命務めておるところでございます。
およそ20年前のことになりますが、私はよく覚えているのですけれども、一昨年亡くなられましたが、党派は違うのですけれど、岩國哲人さんが調査特別委員会、まだ今の審査会の前の組織でございますが、そこでこんなことを言っておられました。時間をかければかけるほど、20年前のお話なんですが、時間をかければかけるほど、戦争を経験した世代の方々が亡くなっていく。そういう世代の方々に、戦争を体験された世代の方々に、こういう憲法を残していきたい、そういうような思いを述べる機会を与えていない。残すかどうか、これはまた別の議論なのでありますけれども、そういう方々がこの世におられるうちに、憲法の改正、それを国民に問わねばならない。大意そういうことをおっしゃっておられたことを私はよく覚えております。
私自身、1957年、昭和32年の生まれでありまして、全く戦争は体験いたしておりません。田中角栄先生は、かつてあの戦争に行ったやつが、この国の中心にいるうちは大丈夫だと。それがいなくなった時は怖いんだ。だからよく勉強しなさいと言っておられましたが、戦争を体験された世代、そういう方々がお元気なうちに、この憲法は国民の皆様方にいろんな意味で問うていかねばならないものだと思っております。
今、我が国を取り巻く安全保障環境はかつてないほどに厳しいものがございます。あるいは人口の減少、地方の衰退、これも歯止めがいまだかかっておりません。あるいは首都直下型地震、南海トラフ、いつ何が起きてもおかしくない状況でございます。緊急事態対応、そしてまた自衛隊の明記、それを最優先に取り組んでまいりたいと考えております。本日のフォーラムが憲法改正に向けて意義深いものとなりますことを心より祈念して私のご挨拶といたします。
どうぞよろしくお願いを申し上げます。
「第26回公開憲法フォーラム」(令和6年5月3日)
岸田文雄自民党総裁ビデオメッセージ
会場にお集まりの皆様、またライブ中継を御覧の皆様、こんにちは。自由民主党総裁岸田文雄です。
「第26回公開憲法フォーラム」の開催をお慶び申し上げますとともに、憲法改正の実現に向けて、それぞれのお立場で、平素より熱心にご活動いただいている皆様に心から敬意を表します。
日本国憲法は占領下の1946年に制定されて以来、「国民主権」「基本的人権の尊重」「平和主義」を三大原理として、我が国が民主主義、平和主義国家としての礎を築く上で大きな役割を果たしてきました。このような憲法の基本理念は、今後も決して揺らぐことはありません。
他方で、憲法は「あるべき国の形」を示す国家の基本法であり、社会が大きく変化する中で、現行憲法が今の時代にふさわしいものであり続けているかを考えていくことは大変重要です。現行憲法が施行から77年の間、一度も改正されていない中にあって、時代にそぐわない部分、不足している部分については果断に見直しを行っていかなければなりません。
自民党は立党以来、憲法改正を党是とするとともに、長年政権を担ってきた責任政党として、国の在り方、憲法の在り方を常に考え、改憲に向けた議論をリードしてまいりました。平成30年には憲法改正のたたき台素案として、いま国民に問うにふさわしいテーマとして、①安全保障に関わる「自衛隊」 ②統治機構のあり方に関する「緊急事態」 ③一票の格差と地域の民意反映が問われる「合区解消」 ④国家100年の計たる「教育充実」 この4つを取り上げ、議論を促してまいりました。
ここ数年、衆議院・参議院の憲法審査会の開催頻度は高まっているところであり、特に緊急事態条項については、各党の考えを含めて論点整理が進むなど、与野党の枠を超えて、活発にご議論いただいてきたものと認識しています。このような動きは大変歓迎すべきものです。
他方で憲法改正は、最終的には国民の皆様による御判断が必要であり、国会の発議を見据えた議論をしていかなければ、いつまでも憲法改正を実現することはできません。このような思いから、私自身先の臨時国会では、「条文案の具体化など、これまで以上に積極的な議論が行われることを心から期待する」と申し上げました。
また昨年12月には、衆・参の憲法審査会の我が党幹事らに対し、党派を超えた連携を目指す改正項目について、我が党の考えをまとめるよう指示しました。そして本年の党の運動方針に「緊急事態や自衛隊の明記などに関する条文起草のための機関を各会派の理解を得て設置をし、憲法改正原案を作成し、国会の発議を経て、国民投票における過半数の賛成に向け全力を傾注する」と明記しました。
繰り返しになりますが、憲法改正は国会が発議するものですが最終的には主権者たる国民の皆様が国民投票で決めるものであり、主役は国民の皆様です。社会が大きく変化し、憲法改正がますます「先送りのできない重要」な課題となる中にあって、国民の皆様に選択肢を示すことは「政治の責任」です。
いたずらに議論を引き伸ばし、選択肢の提示すら行わないということになれば、「責任の放棄」と言われてもやむを得ません。
一連の政治資金の問題で政治不信を招いたことについては、自民党総裁として心からお詫びを申し上げなければなりませんが、政治の信頼回復のためにも、政治改革の議論と併せて憲法改正という重要な課題について、党派を超えて連携しながら、真摯に議論を行う姿を国民の皆様にお見せしていきたいと考えています。
そして、全国各地での対話集会などを通じて、具体的な条文案など分かりやすい資料も活用しながら、国民の皆様と憲法についてともに議論をし、憲法改正についての理解をともに深めていきたいと考えています。
本日のフォーラムについても、多くの国民の皆様が、憲法改正を自らの問題として考え、大いに議論し、理解を深めていただく、そうした機会になることを心から期待しています。皆さん、憲法改正の実現に向けてともに頑張って参りましょう。
「第25回公開憲法フォーラム」(令和5年5月3日)
岸田文雄自民党総裁ビデオメッセージ
皆さんこんにちは。自由民主党総裁の岸田文雄です。第25回公開憲法フォーラムの開催をお慶び申し上げますとともに、憲法改正の実現に向け、それぞれのお立場で、平素より熱心にご活動いただいている皆様に、心から敬意を表します。
さて、自民党は立党以来、憲法改正を党是としてまいりました。憲法の基本理念、すなわち国民主権、基本的人権の尊重、そして平和主義は、今後も決して揺らぐことはありません。その一方で、施行から76年が経つ。現行憲法には時代にそぐわない部分、不足している部分が生じているのではないでしょうか。憲法のありようを絶えず、社会の大きな変化の中で見直していく、
こうした姿勢が求められていると考えています。そのため、自民党は憲法改正のたたき台素案として、「自衛隊の明記」「緊急事態対応」「合区解消」「教育充実」の4項目を挙げ、お示ししています。自衛隊は大規模災害や新型コロナ等にも懸命に対応しており、国民の皆様から感謝され支持されています。
今、力による一方的な現状変更の試みの深刻化や、北朝鮮による度重なる弾道ミサイルの発射など、戦後最も厳しく複雑な安全保障環境に直面する中で、自衛隊を憲法にしっかりと位置づけることは極めて重要なことだと考えます。
また、新型コロナへの対応、あるいはロシアによるウクライナ侵略を受け、緊急事態への備えに対する関心が高まっています。災害の時代とも言われる今、大地震等の緊急時において、国民の代表である国会の機能をいかに維持していくのか。
有事における迅速な対応を確保するため、憲法にどのような規定が必要か。国民の命と安全を守るため、真剣に議論を深めていかなければなりません。さらには、参議院選を巡る一票の格差の問題について、選挙区を人口だけで考えてよいのか。
地方、地域の声をどのように国会に届けるのか。そして、誰もが質の高い教育を受ける機会を享受することができる社会の実現に向け、国の基本である教育の充実について、どのような理念を盛り込むのか。いずれの課題も極めて現代的な早期の実現が求められる課題です。
今国会では、昨年来の活発な議論を引き継ぎ、衆参両院で憲法審査会が開催されています。特に、衆議院の憲法審査会では、緊急事態条項を明記する憲法改正を巡り、論点整理が行われるなど、議論を深めていただいています。
憲法審査会において、憲法改正に関する議論が重ねられていることを歓迎するとともに、今後も真摯に落ち着いた議論を重ねていただきたいと思います。そして、国会における議論と同時に、憲法改正に関する国民的議論を喚起し、国民の皆様の理解を深めていかなければなりません。
憲法改正は国会が発議するものでありますが、最終的には主権者たる国民の皆様が国民投票で決めるものです。すなわち、憲法改正の主役は、国民の皆様なのです。自民党では、憲法改正実現本部やそのもとに設置した憲法改正国民運動委員会タスクフォースが、中心となり、全国各地できめ細やかに、研修会、そして対話集会を開催してまいりました。
私自身も2月の自民党大会を前に、対話集会に参加し、これからの日本を支える若い皆さんによる取り組みを伺いました。今後も、憲法改正の議論に国民の皆様が主体的に参画する機会を積極的に設け、憲法改正に向けた機運をこれまで以上に高めていくことが重要であると考えています。
憲法改正への挑戦は、決して容易なものではありません。これまでも多くの先達が挑みながら到達することができなかった道です。しかし、社会が大きく変化する今だからこそ、我々は挑戦し続けなければならないのです。
本日のフォーラムが、多くの国民の皆様が憲法改正について、自らの問題として考え、大いに議論し、理解を深めていただく。そうした機会となることを心から期待をしています。皆さん、共に頑張って参りましょう。
「第24回公開憲法フォーラム」(令和4年5月3日)
岸田文雄自民党総裁ビデオメッセージ
会場にお集まりの皆様、また、YouTubeでライブ中継をご覧の皆様、自由民主党総裁の岸田文雄です。
第24回公開憲法フォーラムの開催を心からお慶び申し上げますとともに、憲法改正の実現に向け、それぞれのお立場で精力的に活動されている皆様に心から敬意を表します。
さて自民党は、立党以来、憲法改正を党是としてまいりました。
言うまでもなく、国民主権、基本的人権の尊重、そして平和主義という基本理念は、今後も決して揺らぐことはありません。その一方で、現行憲法も施行から75年が経過し、時代にそぐわない部分、そして不足している部分については、改正していくべきではないかと考えております。
例えば、新型コロナへの対応、あるいはロシアによるウクライナ侵略を受け、緊急事態への備えに対する関心が高まっています。大地震等の緊急時において、国会の機能をいかに維持していくのか。国家や国民はどのような役割を果たしていくべきなのか。
有事における迅速な対応を確保するため、こうしたことを憲法にどのように位置づけるかは、極めて重要な課題です。国民の命と安全を守るため、真剣に議論を深めていかなければなりません。
また、自衛隊は、大規模災害や新型コロナ対応にも懸命に対応しており、国民の皆様から感謝され、支持されています。それにもかかわらず、自衛隊を違憲とする声があることも事実です。自民党では、自衛隊の明記をはじめ、緊急事態対応、合区解消および教育の充実の4項目について、憲法改正のたたき台素案を取りまとめ、お示ししています。いずれも極めて現代的な課題であり、早期の実現が求められると考えています。
国会では2月10日、今国会初めての憲法審査会が開催されました。衆議院で予算が審議されている中での憲法審査会の開催は9年ぶりのことです。その後も、憲法審査会において、憲法改正に関する議論が重ねられていることを歓迎したいと思います。
しかし、国会における議論と同時に、憲法改正に関する国民的議論を喚起し、国民の皆様の理解を深めていかなければなりません。憲法は日本の法典の中で唯一国民投票が規定されている法典です。憲法改正は国会が発議するものでありますが、最終的には主権者である国民の皆様が、国民投票で決めるものです。すなわち、憲法改正の主役は、国民の皆様なのです。
自民党では、憲法改正実現本部が中心となり、全国各地できめ細やかに研修会、対話集会を開催していくこととしています。憲法改正の議論に国民の皆様が主体的に参画する機会を積極的に設け、憲法改正に向けた機運をこれまで以上に高めていきたいと考えています。
憲法改正への挑戦は決して容易なものではありません。これまでも多くの先達が挑みながら、到達することができなかった道です。しかし、社会が大きく変化する今だからこそ、我々は挑戦し続けなければならないのです。
本日のフォーラムが、多くの国民の皆様が憲法改正について自らの問題として考え、大いに議論し、理解を深めていただく、そうした機会となることを心から期待しています。
皆さん、共に頑張ってまいりましょう。
「第23回公開憲法フォーラム」(令和3年5月3日)
菅義偉自民党総裁ビデオメッセージ
みなさんこんにちは、自由民主党総裁の菅義偉です。
第23回公開憲法フォーラムが開催されますことを心からお慶び申し上げますとともに、憲法改正の実現に向けてそれぞれの立場で精力的に活動されている皆様に心から敬意を表したいと思います。
まず今回のフォーラムが、東京都、京都府、大阪府、兵庫県を対象とする緊急事態宣言の最中の開催となってしまいました。再び緊急事態宣言を発出する事態に至り、多くの皆様方にご迷惑をおかけしていることを大変申し訳なく思っています。この危機を乗り越えて安心できる日常を取り戻すためにできることは全て全力を尽くしてやり抜きます。ワクチンの接種が始まっています。希望する高齢者に7月末を念頭に、2回の接種を終えることができるよう政府をあげて取り組んでまいります。新型コロナとの厳しい戦いにも必ず終わりが見えてくると確信をしています。国民の皆さんのご理解とご協力を心からお願い申し上げます。
さて自民党は、立党以来、憲法改正を党是としてまいりました。言うまでもなく国民主権、基本的人権の尊重、そして平和主義という基本理念は今後も決して揺らぐことはありません。
その一方で、現行憲法も制定から70年余り今経過し、時代にそぐわない部分そして不足している部分については改正していくべきじゃないかと考えています。
例えば今般の新型コロナへの対応を受けて、緊急事態への備えに対する関心が高まっています。大地震等の緊急時において国民の命と安全を守るため国家や国民がどのような役割を果たし国難を乗り越えていくべきか、そのことを憲法にどのように位置付けるかは極めて重く大切な課題です。しかし現行憲法において緊急時に対応する規定は参議員の緊急集会しか存在しません。
また自衛隊は大規模災害や新型コロナ等にも懸命に対応しており、国民の皆様の多くから感謝され支持されています。それにもかかわらず自衛隊を違憲とする声があることもまた事実です。
そこで自民党では、憲法審査会で活発の議論を行っていただくため、「自衛隊の明記」をはじめ「緊急事態対応」「合区解消・地方公共団体」および「教育の充実」の4項目について、憲法改正のたたき台を取りまとめすでにお示ししています。一部の野党も憲法改正について具体的な考え方を示し、憲法審査会における建設的な議論を呼びかけておられます。
しかし憲法改正に関する国会での議論は残念ながらなかなか進んでおりません。国民投票法改正案についても自民党と野党第一党である立憲民主党との間で「何らかの結論を得る」と合意しておりますが、未だ衆議院の憲法審査会で採決に至っていないのが実情です。
憲法改正に関する議論を進める最初の一歩として、まずは国民投票法改正案の成立を目指していかなければなりません。その上で憲法審査会においては与野党の枠を超えて建設的な議論を重ね、国民の皆様の理解を深めていくべきです。それは国会議員の責任ではないかと思います。
言うまでもなく憲法は国の礎です。そして憲法改正は国会が発議し最終的には主権者である国民の皆様が国民投票で決めるものです。すなわち憲法改正の主役は国民の皆様なのです。ですから多くの国民の皆様が憲法改正について自らの問題として考え大いに議論し理解を深めていただきたい。
本日のフォーラムがその大きな役割を果たすことを心から期待しています。憲法改正への挑戦は決して容易な道ではありません。これまでもたくさんの
先達が挑戦され到達することができなかった道です。しかし皆さんと共にその実現に取り組んでいきたい。
大きく社会が変化する今だからこそ新しい時代にふさわしい憲法のあり方について国民的な議論と理解が深まるよう、その環境を整備し、しっかり挑戦していきたいと思います。
憲法改正に向けて共に頑張ってまいりましょう。本日は誠におめでとうございます。
「第22回公開憲法フォーラム」(令和2年5月3日)
安倍晋三自由民主党総裁ビデオメッセージ
ユーチューブをご覧の皆さん、こんにちは。自由民主党総裁の安倍晋三です。
新型コロナウイルス感染症が全世界で猛威を振るっています。まずもって、この感染症によりお亡くなりになられた方々に心から哀悼の意を表するとともに、現在も闘病中の方々の一刻も早いご回復をお祈り申し上げます。そして、新型コロナウイルスとの闘いの正に最前線で強い責任感を持って、今この瞬間も一人でも多くの命を救うため、献身的な努力をしてくださっている医療機関・医療関係者の方々に心より感謝を申し上げます。
国内における蔓延防止のため、緊急事態宣言を発出してから、まもなく1か月。この間、国民の皆様には、人と人の接触機会を8割削減するとの目標の実現に向け、ご協力をいただいておりますことに感謝申し上げます。
今年の「憲法フォーラム」につきましては、接触削減という政府の要請を踏まえ、ユーチューブを使ったライブ中継にしていただいたこと、大変ありがとうございます。
さて、ユーチューブをご覧の皆さん。改めまして、憲法改正の実現に向けて、それぞれのお立場で、精力的に活動されている皆様に心から敬意を表したいと思います。
自民党は立党以来、憲法改正を党是としてまいりました。言うまでもなく、国民主権、基本的人権の尊重、そして平和主義の基本理念は、今後も決して揺らぐことはありません。その一方で、現行憲法も制定から70年余りが経過し、時代にそぐわない部分、そして不足している部分については、改正していくべきではないかと考えております。
例えば、今般の新型コロナウイルスという未知の敵との闘いにおいて、われわれは前例のない事態に繰り返し直面しております。政府においては、国民の命と健康を守るため、全国に緊急事態宣言を発出し、政策を総動員して各種対策を進めています。
ウイルスの感染拡大防止に向けて、国民の皆様には、外出の自粛や休業要請への対応など、多大なるご協力をお願いしています。また、国家の機能維持という点でみれば、国会審議の在り方についても、与野党で協議し、さまざまな工夫がなされてきたところです。しかしながら、そもそも現行憲法においては、緊急時に対応する規定は、「参議院の緊急集会」しか存在していないのが実情です。
今回のような未曽有の危機を経験した今、緊急事態において、国民の命や安全を何としても守るため、国家や国民がどのような役割を果たし、国難を乗り越えていくべきか。そして、そのことを憲法にどのように位置付けるかについては、極めて重く、大切な課題であると、私自身、改めて認識した次第です。
自民党がたたき台として既にお示ししている改憲4項目の中にも「緊急事態対応」は含まれておりますが、まずは、国会の憲法審査会の場で、じっくりと議論を進めていくべきであると考えます。
そして、憲法第9条です。
今回の新型コロナウイルスへの対応では、延べ1万7千人を超える自衛隊員が対応に当たり、この瞬間も、各地の自衛隊病院等で、感染症患者の救護に当たるとともに、空港での検疫、自治体職員等への感染予防のための教育支援を行っています。そして、一連の対応を通じて、従事した隊員からは、これまで1人の陽性者も出していません。事に臨んでは危険を顧みず、身をもって責務の完遂に努める。私は自衛隊の最高指揮官として、彼らのプロフェッショナリズムに常に胸を打たれています。
本年1月からは、中東海域における情報収集活動も始まりました。中東海域は、年間数千隻の日本関係船舶が航行し、我が国が消費する原油の約9割が通過する、国民の生活を支える大動脈・命綱です。
2月には、私は護衛艦「たかなみ」に乗艦し、中東の地に向かう隊員たちを直接激励する機会を得ました。使命感に燃え、整然と乗り込む隊員の姿を目の当たりにし、大変誇らしく思いました。他方で、極めて残念だったことは、隊員のご家族が見守る一角に、「憲法違反」とのプラカードが掲げられていたことです。隊員の子どもたちも、もしかしたら、それを目にしたかもしれない。どう思っただろうか。そう思うと言葉もありません。
創設以来、何十年にもわたり続く、「自衛隊は違憲」というおかしな議論に終止符を打つためにも、自衛隊の存在を憲法上、明確に位置付けることが必要です。全国25万の自衛隊員諸官が強い誇りを持って、任務を全うできるよう、憲法にしっかりと私たちの「自衛隊」を明記しようではありませんか。3年前のこの「憲法フォーラム」でのビデオメッセージにおいて、私は、「2020年を、新しい憲法が施行される年にしたい」と申し上げましたが、残念ながら、未だその実現には至っておりません。
他方、この間、先の参議院選挙において、我々自民党は、国民の皆様から「憲法改正の議論を前に進めよ」との力強い支持をいただき、また、各種の世論調査においても、「議論を行うべき」という回答が多数を占めてきております。憲法改正への挑戦は決してたやすい道ではありませんが、必ずや皆さんとともになし遂げていく。その決意に揺らぎは全くありません。
憲法改正の主役は、国民の皆様です。どの項目をどのように改正するのか、あるいはしないのか。国民投票によって国民の皆様が決めます。ですから、多くの国民の皆様が憲法改正について、自らの問題として大いに議論をし、理解を深めていただきたい。本日のフォーラムが、その大きな役割を果たすことを期待しています。
憲法改正に向けて、引き続き、頑張ってまいりましょう。
「第21回公開憲法フォーラム」(令和元年5月3日)
安倍晋三自由民主党総裁ビデオメッセージ
皆さん、 こんにちは。自由民主党総裁の安倍晋三です。
一昨日、皇太子殿下が御即位され、新しい時代、令和の時代がスタートいたしました。国民こぞって歴史的な皇位継承を寿(ことほ)ぐ中、令和初の憲法記念日に、「第21回公開憲法フォーラム」が盛大に開催されますことを、まずもって、お慶(よろこ)び申し上げます。そして、改めて、憲法改正の実現に向けて、それぞれのお立場で、精力的に活動されている皆様に、心から敬意を表したいと思います。
自民党は、立党以来、憲法改正を党是としてまいりました。2年前のこの「憲法フォーラム」でのビデオメッセージにおいて、私は、「2 0 2 0年を、新しい憲法が施行される年にしたい」と申し上げましたが、今もその気持ちに変わりはありません。自民党においては、国民主権、基本的人権の尊重、平和主義という現行憲法の3つの基本原理は堅持しつつ、昨年、改憲4項目の条文イメージを取りまとめ、今年の運動方針においても、新しい時代に即した憲法の改正に向けて道筋をつける覚悟であることを確認いたしました。
平和と繁栄を享受する一方で、大きな自然災害が相次いだ平成の時代。困難な災害の現場には、常に自衛隊員の姿がありました。夜を徹し、泥にまみれながらも、危険を顧みず、黙々と任務に当たる隊員諸君は、被災された皆さんをはじめ、被災地を支える力となりました。
また、PKO法の制定以降、延べ約6万人の自衛隊員が世界各地で、平和と安定のため、汗を流し、現地の目線に立った支援、高い規律と丁寧な仕事ぶりで、国際社会から高い評価を受けてまいりました。
自衛隊は、かつては、厳しい目で見られた時代もありました。それでも、歯を食いしばり、ただひたすらに、職務を全うしてきた。創設から60年余り、自衛隊に良い印象を持つ国民は、昭和の時代に、6割、そして7割。平成には、およそ9割に達しています。これは、自衛隊員諸君が、自らの手で勝ち得た信頼であります。他の誰の力でもありません。
次は、政治が役割を果たす時です。全ての自衛隊員が、強い誇りを持って任務を全うできる環境を整えるため、憲法にしっかりと「自衛隊」と明記し、違憲論争に終止符を打つ。私は、先頭に立って、責任をしっかりと果たしていく決意です。
そして、教育の問題。この10月から幼児教育の無償化、そして、真に必要な子どもたちの高等教育の無償化を実現いたします。子どもたちこそ、この国の未来そのものです。世代を超えた「貧困の連鎖」を断ち切るため、家庭の経済事情にかかわらず、教育は全ての子どもたちに真に開かれたものとしなければならない。私たちは、このことをしっかりと憲法に位置付けなければならないと考えます。
新たな元号「令和」は、歴史上初めて、国書である万葉集から引用したものです。厳しい寒さの後に春の訪れを告げ、見事に咲き誇る梅の花のように、一人ひとりの日本人が、明日への希望とともに、それぞれの花を大きく咲かせることができる、そうした日本でありたいとの願いを込め、決定しました。
憲法は、国の理想を語るものであり、次の時代への道しるべであります。令和元年という新たな時代のスタートラインに立って、私たちは、どのような国創りを進めていくのか、この国の未来像について、真正面から議論を行うべきときに来ているのではないでしょうか。
国民の代表である私たち国会議員が活発な議論を行い、この国のあるべき姿を提示していく責任があることは言うまでもありません。しかし、憲法改正の主役は、もとより、国民の皆様です。多くの国民の皆様が憲法改正について、自らの問題として大いに議論をし、理解を深めていただきたい。そう願っております。
本日のフォーラムが、その大きな役割を果たすことを期待し、私の挨拶とさせていただきます。
憲法改正に向けて、ともに頑張ってまいりましょう。
「第20回公開憲法フォーラム」(平成30年5月3日)
安倍晋三自由民主党総裁ビデオメッセージ
みなさん、こんにちは。自由民主党総裁の安倍晋三です。
この度「第20回公開憲法フォーラム」が盛大に開催されましたことに、まずもってお慶びを申し上げます。改めて、憲法改正の早期実現に向けてそれぞれのお立場で精力的に活動されている皆様に心から敬意を表します。
憲法はこの国のかたち理想の姿を示すものです。二十一世紀の日本の理想の姿を私たち自身の手で描くという精神こそ日本の未来を切り開いていくことに繋がっていくと信じております。
言うまでもなく、現行憲法の「平和主義」「国民主権」そして「基本的人権の尊重」の基本原理が揺らぐことはありません。その一方で、私たちは時代の節目にあって、まさにどのような国づくりを進めていくのかという議論を深めるべきときに来ていると思います。
そうした思いから、私は、昨年この「公開憲法フォーラム」へのビデオメッセージにおいて、自民党総裁として一石を投じる気持ちでこう申し上げました。
「いよいよ私たちが憲法改正に取り組む時が来た」
「憲法九条について自衛隊を明記すべきだ」
この発言を一つの契機として、この一年間で憲法改正の議論は大いに活性化し、そして具体化しました。私はそのことを大変喜ばしく思っております。
自由民主党においては、
安全保障に関わる「自衛隊」
統治機構のあり方に関する「緊急事態」
一票の較差と地域の民意反映が問われる「合区解消・地方公共団体」
国家百年の計たる「教育充実」
の4項目について大変議論が深まってまいりました。
私は、毎年、防衛大学校の卒業式に出席し、陸海空の真新しい制服に身を包んだ任官したばかりの自衛官たちから
「事に臨んでは危険を顧みず 身をもって責務の完遂に努め もって国民の負託に応える」
この重い宣誓を最高指揮官内閣総理大臣として受けております。そうです。彼らは国民を守るためにその命を懸ける。
しかし、残念ながら近年においても「自衛隊は合憲」と言い切る憲法学者は二割にとどまり、違憲論争が存在します。その結果、多くの教科書に合憲性に議論がある旨の記述があり、自衛官たちの子供たちもその教科書で勉強しなければなりません。みなさん、この状況のままでいいのでしょうか。
この状況に終止符を打つために、憲法に、我が国の独立と平和を守る自衛隊をしっかりと明記し、違憲論争に終止符を打たなければならない。それこそが
今を生きる私たち政治家の、そして自民党の責任です。敢然とその責任を果たし、新しい時代を切り開いていこうではありませんか。
憲法の専門家において自衛隊違憲論が存在する最大の原因は、憲法に、我が国の防衛に関する規定が全く存在しないことにあります。我が国の安全を守るため、命を賭して任務を遂行している者の存在を明文化することによって、その正統性が明確化されることは明らかです。そのことは我が国の安全の根幹にかかわることであり、憲法改正の十分な理由になるものであると考えています。
いよいよ私たちが憲法改正に取り組む時が来ました。
主役は国民の皆様です。
憲法改正は国民の代表者たる国会議員が議論し草案を作り発議する、
そして、最終的に、国民投票によって国民の皆様が憲法改正を決定する。
憲法改正を成し遂げるためには、国民の皆様の御理解幅広い合意形成が必要です。その意味で、このフォーラムが果たす役割は極めて大きいと思います。
皆様方「民間憲法臨調」「美しい日本の憲法をつくる国民の会」のこうした取り組みを、大変心強く感じております。
憲法改正に向けて、ともに頑張ってまいりましょう。
「第19回公開憲法フォーラム」(平成29年5月3日)
安倍晋三自由民主党総裁ビデオメッセージ
ご来場の皆さま、こんにちは。自由民主党総裁の安倍晋三です。
憲法施行70年の節目の年に、「第19回公開憲法フォーラム」が盛大に開催されましたことに、まずもって、およろこびを申し上げます。憲法改正の早期実現に向けて、それぞれのお立場で、精力的に活動されている皆さまに、心から敬意を表します。
憲法改正は、自由民主党の立党以来の党是です。自民党結党者の悲願であり、歴代の総裁が受け継いでまいりました。私が総理・総裁であった10年前、施行60年の年に国民投票法が成立し、改正に向けての一歩を踏み出すことができました。しかし、憲法はたった一字も変わることなく、施行70年の節目を迎えるに至りました。
憲法を改正するか否かは、最終的には、国民投票によって、国民が決めるものですが、その発議は国会にしかできません。私たち国会議員は、その大きな責任をかみしめるべきであると思います。
次なる70年に向かって日本がどういう国を目指すのか。今を生きる私たちは、少子高齢化、人口減少、経済再生、安全保障環境の悪化など、わが国が直面する困難な課題に対し、真正面から立ち向かい、未来への責任を果たさなければなりません。
憲法は、国の未来、理想の姿を語るものです。私たち国会議員は、この国の未来像について、憲法改正の発議案を国民に提示するための具体的な議論を始めなければならない。その時期に来ていると思います。
わが党、自由民主党は、未来に、国民に責任を持つ政党として、憲法審査会における具体的な議論をリードし、その歴史的使命を果たしてまいりたいと思います。
例えば、憲法9条です。今日、災害救助を含め、命がけで24時間、365日、領土、領海、領空、日本人の命を守り抜く。その任務を果たしている自衛隊の姿に対して、国民の信頼は9割を超えています。しかし、多くの憲法学者や政党の中には、自衛隊を違憲とする議論が、いまなお存在しています。「自衛隊は、違憲かもしれないけれども、何かあれば命を張って守ってくれ」というのは、あまりにも無責任です。
私は、少なくとも私たちの世代のうちに、自衛隊の存在を憲法上にしっかりと位置付け、「自衛隊が違憲かもしれない」などの議論が生まれる余地をなくすべきであると考えます。
もちろん、9条の平和主義の理念については、未来に向けてしっかりと、堅持していかなければなりません。そこで、「9条1項、2項を残しつつ、自衛隊を明文で書き込む」という考え方、これは国民的な議論に値するのだろうと思います。
教育の問題。子供たちこそ、わが国の未来であり、憲法において、国の未来の姿を議論する際、教育は極めて重要なテーマだと思います。誰もが生きがいを持って、その能力を存分に発揮できる「1億総活躍社会」を実現する上で、教育が果たすべき役割は極めて大きい。
世代を超えた貧困の連鎖を断ち切り、経済状況にかかわらず、子供たちが、それぞれの夢に向かって頑張ることができる、そうした日本でありたいと思っています。
70年前、現行憲法の下で制度化された、小中学校9年間の義務教育制度、普通教育の無償化は、まさに戦後の発展の大きな原動力となりました。
70年の時を経て、社会も経済も大きく変化した現在、子供たちがそれぞれの夢を追いかけるためには、高等教育についても、全ての国民に真に開かれたものとしなければならないと思います。これは、個人の問題にとどまりません。人材を育てることは、社会、経済の発展に、確実につながっていくものであります。
これらの議論の他にも、この国の未来を見据えて議論していくべき課題は多々あるでしょう。
私は、かねがね、半世紀ぶりに夏季のオリンピック、パラリンピックが開催される2020年を、未来を見据えながら日本が新しく生まれ変わる大きなきっかけにすべきだと申し上げてきました。かつて、1964年の東京五輪を目指して、日本は大きく生まれ変わりました。その際に得た自信が、その後、先進国へと急成長を遂げる原動力となりました。
2020年もまた、日本人共通の大きな目標となっています。新しく生まれ変わった日本が、しっかりと動き出す年、2020年を新しい憲法が施行される年にしたいと強く願っています。私は、こうした形で国の未来を切り拓いていきたいと考えています。
本日は、自由民主党総裁として、憲法改正に向けた基本的な考え方を述べました。これを契機に、国民的な議論が深まっていくことを切に願います。自由民主党としても、その歴史的使命を、しっかりと果たしていく決意であることを改めて申し上げます。
最後になりましたが、国民的な議論と理解を深めていくためには、皆さま方、「民間憲法臨調」「美しい日本の憲法をつくる国民の会」のこうした取り組みが不可欠であり、大変心強く感じております。
憲法改正に向けて、ともに頑張りましょう。
「第18回公開憲法フォーラム」(平成28年5月3日)
安倍晋三自民党総裁メッセージ
ご来場の皆様、こんにちは。自由民主党総裁の安倍晋三です。
本日は第18回公開憲法フォーラムが盛大に開催されましたことに、お慶びを申し上げます。憲法改正の早期実現を求めて、それぞれの立場で精力的に御活躍されている皆様に、心から敬意を表します。
憲法は、国の未来、理想の姿を語るものです。21世紀の日本の理想の姿を私たち自身の手で描くという精神こそ、日本の未来を切り開いていくことに繋がっていく、私はそう考えています。
今の憲法が成立して70年近くが経ちました。この間、経済や社会など国内外の情勢は物凄いスピードで変化し、世の中は大きく様変わりしましたが、憲法は一度も改正されていません。そのため、どのようなことが生じているか。
一例を挙げますと、昨年、平和安全法制を巡って、憲法に関する議論が盛り上がりましたが、今の憲法には「自衛隊」という言葉はありません。昨年6月に朝日新聞が行った調査によれば、憲法学者の約7割が、自衛隊は違憲の可能性があるとしていますが、その一方で、自衛隊は創設されて既に60年余りが経過し、昨年1月の世論調査によれば、国民の9割以上が自衛隊を信頼していることが分かります。こうした中で本当に、自衛隊は違憲かもしれないと思われているままでよいのかということは、国民的な議論に値するものだと思います。
憲法は、国民のものであります。新しい時代にふさわしい憲法とはどうあるべきかという観点から、自由闊達に議論できる雰囲気の中で、国民が真剣に考え、しっかりと冷静に議論する環境をつくるべきだと思います。憲法に指一本触れてはならない、議論すらしてはならない、などといった思考停止の姿勢に陥ってはなりません。
自由民主党は今年で立党61年を迎えますが、立党以来、党是としてずっと憲法改正を主張して参りました。平成24年には改正の草案を取りまとめ、世の中にお示ししました。今後とも、これまで同様、憲法改正を訴えて参ります。
言うまでもなく、憲法改正は通常の法律とは異なり、衆参各議院で3分の2以上の賛成を得て国会が発議し、最終的には国民投票で過半数の賛成を得る必要があります。そのためには、与党のみならず、多くの党や会派の支持をいただき、そして何より国民の理解を得るための努力が必要不可欠です。
憲法のどこを、どのように改正すべきかについては、今後、憲法審査会等において、しっかりと精緻な議論が行われるべきものであり、国会や国民的な議論と理解の深まりの中で、最後は国民に御判断いただくべきものであると考えます。
そして、国民的な議論と理解を深めていくためには、「美しい日本の憲法をつくる国民の会」、「民間憲法臨調」のこうした取り組みが不可欠であり、大変心強く感じております。私自身も、本日お集まりの皆さんと手を携えて、引き続き新しい時代にふさわしい憲法を自らの手で作り上げる、その精神を広めていくための取り組みに力を尽して参りたいと存じます。
憲法改正に向けて、ともに頑張りましょう。